ただの肌荒れではありません 乾燥性皮膚炎

空気が乾燥する季節になると、肌が乾燥してかゆくなったり、ひび割れたりしていませんか?もしかすると、乾燥性皮膚炎かもしれません。赤みや湿疹を伴う乾燥性皮膚炎は、特に空気が乾燥する冬の時期に起こりやすいので要注意です。肌荒れと勘違いされやすい乾燥性皮膚炎について、渋谷駅前 おおしま皮膚科の大島昇先生に伺いました。

原因と症状

乾燥肌と乾燥性皮膚炎の違いは

皮膚が乾燥することは誰にでもありますが、皮膚の乾燥が進んで乾皮症と言われる状態になり、それが進行すると乾燥性皮膚炎になることがあります。乾燥性皮膚炎は、皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)とも呼ばれます。
皮膚の表面には角質層があり、さらにその上は皮脂膜で覆われています。角質層は水分や、天然の保湿成分を含み、肌に潤いを与えてくれます。皮脂膜は皮脂と水分からできた保湿クリームのようなもので、角質層から水分が蒸発しないようバリアの働きをしているのです。
しかし肌が乾燥してくると、角質層の水分が不足してきて、皮膚は柔軟性を失い、ひび割れしたり、皮がむけたりします。これが乾皮症の症状です。
乾皮症が進行すると、強いかゆみや赤み、水ぶくれなどの湿疹を併発する、乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)になる場合があります。皮脂欠乏性湿疹は脚のすねや脇腹など、皮膚が乾燥しやすい場所に出やすいのが特徴です。

湿疹になるとさらに乾燥が進む

湿疹ができると皮膚のターンオーバーが早くなり、肌がいっそうカサカサした状態になります。それをただの肌荒れと勘違いして放置すると、悪化して治りが遅くなるので注意が必要です。肌の乾燥だけでなく、赤みなどの湿疹の症状がみられる場合は、乾燥性皮膚炎の可能性があります。

加齢と体の洗い過ぎが主な原因

乾燥性皮膚炎の元となる乾燥肌の主な原因は、加齢です。老化現象の1つで、個人差はありますが、高齢になればほとんどの人に皮脂の欠乏が見られます。
ただ、冬の乾燥した時期は年齢に関係なく、乾燥肌になりやすいので注意が必要です。冬はもともと肌が乾燥しやすい上、暖房などで体が温まると肌がかゆくなりやすいので、乾燥した肌をつい何度もかくことによって湿疹化し、乾燥性皮膚炎になることもあります。
また加齢以外にも、過剰な清潔志向が原因になることがあります。たとえば、入浴時に体をゴシゴシと洗い過ぎたりすると皮脂が失われ、肌の乾燥が進んでしまいます。

治療法とセルフケア

基本は保湿剤による保湿

乾燥性皮膚炎の治療の基本は、皮膚の乾燥を抑えることになります。医療機関では症状に合わせて、外用薬の保湿剤が処方されます。
保湿剤は入浴後、皮膚がしっとりしているうちに塗ると効果が高まります。症状がひどい場合は、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や炎症を抑えるステロイド外用剤が使用されます。

入浴はぬるめのお湯に短時間

熱いお湯は皮脂を奪うので、肌が乾燥していると感じたら、入浴する際の温度は39〜40℃のぬるめにしましょう。長時間の入浴によっても皮脂が失われるので、長くても15分程度にすると良いでしょう。また体を洗う時は石鹸をよく泡立て、皮膚を刺激しないようにやさしく洗うようにしましょう。

加湿器で室内の湿度を60%に

暖房によって暖めた室内は特に乾燥しているので、肌の乾燥が進んでしまいます。室内の乾燥を防ぐためには加湿器を使用すると効果的です。室内の設定湿度は60%が目安です。加湿器がない場合は、水を入れたボウルなどを室内に置くとよいでしょう。

肌着は化繊ではなく綿製品を

アクリルやナイロンなどの化学繊維は、皮膚の水分を奪ったり、かゆみを誘発したりするので、肌着には保湿性のある木綿素材がおすすめです。化学繊維の衣服を着る場合は肌に直接着用せず、その下に木綿の肌着を着るようにしましょう。

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